太田の自然・文化・歴史

与茂九郎池

 与茂九郎池は大師ヶ岳からの水の流れをせき止めた溜池で、池は大小五つあり太田地区の田畑を潤しています。
 与茂九郎池は二上山周辺では最大の溜池であり、言い伝えでは与茂九郎という人が造り江戸時代にはすでに出来ていたとされていますが、はっきりしたことはわかっていません。与茂九郎の守り神は蛇の巻きついた弁天様ですが、これは昔、度重なる日照りに困り果てた村人が、はるばる信州の戸隠大明神まで水乞いをしに出かけた時に、譲り受けてきたものであり、そのためか与茂九郎池には龍が住みついていると言われています。与茂九郎池
 又、池の奥から小道をたどれば白山林道に経て大師ヶ岳に出ます。池には鯉、カルガモが泳いでおり、水の豊富な五月頃の朝は新緑とともに湖畔全体が静寂で、湖面に映し出す周りの風景は大変風情があります。秋は紅葉とともに湖水のまわりに紅葉や、栗、 あけびが見られ実りの秋を満喫することが出来ます。
 与茂九郎池は昭和63年から平成5年までの6年間の歳月をかけて、老朽化した堤体のかさ上げ改築と洪水吐及び取水施設の改修を行いました。
 かんがい用水の安定確保と豪雨による洪水を一時貯留して調節することにより、洪水被害の防止を図っています。
 一方、7月中旬には村の土地改良世話人で、池の周りの草刈を行い、池の土手の維持管理を行っています。
 池の堤防からは、太田校下、松太枝浜海岸線、氷見方面の山々を望むことが出来ます。