殿(との)

「殿」の悲しき運命
 殿(との)を訓読みすると「しんがり」、つまり一番後ろにいる、奥の方にいる人という意味になります。
 戦国時代で「殿軍」といえば殿様を守る親衛隊みたいな感じを受けますが、これが逆。退却を余儀なくされた殿様を逃がすためにわずかな数で殿(しんがり)にがんばって、追いすがる騎馬隊や鉄砲隊の盾になる役目です。当地にはこの絵のようなごりっぱな殿がいた記録は残っていませんが、なぜか「御庭」「殿山」などの字名や「殿谷」などの名字が地元に残っています、ロマンは尽きませんね。